苦しんで実った愛ほど長く続く
あなたと、あなたが今好きな人とは、どのようなきっかけで知り合い、
どのようなきっかけで愛し合うようになったのでしょうか。
男と女の出会いのシチュエーションは様々です。
職場の先輩と後輩の関係だった。
友人から紹介されて。
中学校のときのクラスメートだった。
その他にもいろいろあるはずです。
そして、二人の愛がどのように育っていったのか。
これも一様ではありません。
初めて出会った瞬間にビビビときたという人もいるでしょう。
最初は何とも思っていなかったが、その人の人柄を知るに連れてだんだん好きになっていった。
実は一度別れたが、しばらくしてまたヨリを戻すことにした。
ずっと片思いだったが、やっとのことで、と、これも人それぞれのパターンがあるのでしょう。
ところで、このようにして出会い、そして愛が芽生えたというお二人がいらっしゃいませんか。
一人旅の旅先で、やはり旅の途中であったという男性と知り合って、
その日のうちに急速に親しくなって恋愛関係になった。旅から帰った後も、
お互いに恋人として交際していこうと約束していたのだったが、その後別れてしまった。
というような関係です。
旅先で、あるいはアルコールの入った席でというように、
「非日常的な状況」 で燃え上がるように芽生えた恋愛は、
残念ながら長続きしないという研究報告が、心理学にあるのです。
旅先などでは、気分が開放的になります。
仕事の苦労や、ふだんの人間関係のわずらわしさからも開放されて、
のびのびとした気分になります。
また、いつもよりもちょっと興奮した気持ちにもなりますね。
お酒を飲んだときも同じでしょう。
こういう状況にあるとおきは、ある意味、恋愛感情を受け入れやすくなっているのです。
ほら、想像してみてください。ふつうの日常生活を送っているときに知り合った相手とは、
たとえ心の中では 「この人、すてきな人だわ」 と思ったとしても、慎重に対応するものです。
「すてきな人には違いないけれど、もっとよく相手のことを知らなければ、なんとも言えないわ」
という気持ちになるんですね。
そして、その人に恋人がいるかどうか、どんな趣味を持っているのか、
どんな家庭に育ったのか、収入は?将来性は?などと様々な角度からチェックを入れながら、
慎重に恋愛感情を育てていくのです。
得の女性の場合、恋愛に対しては慎重であると言われています。
ところが、先の 「非日常的な状況」 にあるときは、このような慎重さが
まったく失われていることが多いのです。
ですから、よく考えず、相手のことをよく見もせず、その場の雰囲気に乗せられて
一気に恋愛感情をエスカレートさせてしまうのです。
しかしアルコールの酔いから覚めたり、旅先から帰宅して、
日常的な冷静な気持ちに戻って反省してみると、「どうしてあんな人と、あんなことに」 と
後悔してしまうことも多いのです。
ですから、もしあなたが 「その場限りの愛」 ではなく、「永遠に続く愛」 を
ほしいと思うのであれば、日常的な冷静な判断ができる状況で知り合う男性を、
まずは大切にしてほしいと思うのです。
でも非日常的な状況でもうまくいく場合ももちろんあります。
心理学には 「認知的不協和」 という言葉があります。
苦労して獲得したもののほうが、何も苦労せずに得たものより、
ずっと価値あるものに思えてくる、という心理法則です。
こんな実験があります。
ある会合に参加を希望していた人を集め、二つのグループに分けます。
一方のグループは、比較的簡単に会合への参加を認めます。
しかしもう一方のグループには、いろいろ厳しい条件を出して、
会合への参加を簡単には認めないのです。
さて会合が終了してから、参加者たちに 「この会合は、ためになりましたか」 と
アンケートをとったところ、後者の、厳しい条件のもとで参加したほうが
圧倒的に 「有意義であった」 と答える人が多かったというのです。
恋愛も同じではないかと思いませんか。
よくよく考え、また悩み、障害を乗り越えて恋愛を育てていった人のほうが、
その恋愛をずっと大切なものに思うものなのです。
また愛する男性を大切に思うものなのです。
相手を大切に思う気持ちがあれば、それだけ、その恋愛は長続きするはずですよ。
◆まとめ
その場限りの感情で、簡単に手に入れられた恋愛は長続きしない。
その恋愛や相手を、大切に思う気持ちが弱いからだ。