つくされる女性になろう
「好きな人に喜んでもらえるなら、何でもしてあげる」
「好きな人のためだったら、精一杯つくしてあげたい」
ひょっとするとあなたもそんな風に思っているかもしれません。
これはあなたの優しさで、それだけその人を好きだということ。
好きな人を思いやる心は、あなたの美しい女性らしさの一つです。
でも、ここでひとつ気をつけてください。
やさしければやさしいほどいいのかというと、必ずしもそうではありません。
好きな人にあなたのできる限りの愛で尽くせば、二人の関係はうまくいくというのは
絶対そうだとは言い切れないのです。
「やさしい女性」 が必ずしも 「愛される」 というわけではないんです。
なぜならやさしい女性は、男性に尽くしすぎてしまうからです。
僕の知っている女性にこんな女性がいました。
彼女はとても心やさしい女性でした。
仕事で苦労している夫のために、朝と夜はしっかりと栄養のある食事を
手間暇かけて作りこんで、洗濯掃除はもちろん、夫の靴下の履き替えまで
彼女の手でやってあげていたそうです。
夫の言うことには絶対に逆らわないし、夫が少しくらい無茶なことをしても
決して文句も言わずに、ただひたすら夫に尽くし続けていました。
ところが結婚して三年ぐらい経った頃でしょうか。
うまくいっているように見えていた二人が、いきなり離婚してしまったのです。
理由は彼女が尽くすことに 「疲れきった」 から。
好きな人に尽くしたい、好きな人のために尽くすことが自分の喜びと考えて
結婚してから懸命に男性に尽くしてきた彼女ですが、結局離婚という結末になってしまったのです。
やさしい女性でしたから、無理をしてしまったのですね。
これはある意味典型的な例でしょう。
女性から尽くされる男性にとっては、何も問題はありません。
威張っていられるのですから、これほどラクで、居心地のいいものはないはず。
でも、尽くしてばかりの女性にとっては、いくら尽くすことが自分から望んでいても
いつかは疲れきってしまいます。
心理学には 「役割分担」 という言葉があります。
べつに心理学用語でなくても普段から使いますが、二人で役割を分け合うことですね。
この役割分担がうまくいっているほど、二人の関係はうまくいくといわれています。
おいしい料理を作るのは奥さんの役割。
でも、食事の後に 「今日はぼくが食器を洗うから、君は休んでいて」 と
後片付けの役割を男性が引き受ける。
これが役割分担ですね。
最近は、料理を作ることが好きな男性も増えています。
料理は夫、後片付けは女性という役割分担の夫婦も増えてきているかもしれません。
とにかく、男性と女性がおたがいに負担を 「役割分担」 する。
これが対等の立場に立つということなのです。
女性ばかりが負担を担うという関係は不自然ですし、
またそういう関係は長続きはしないのです。
つまり 「役割分担」 とは、一方的につくすのではなく、「尽くしたり尽くされたり」 の関係。
ギブ・アンド・テイクといってもいいかもしれません。
ある時は、男性のほうから尽くされる。
そのことに良心が痛む女性もいるかもしれませんが、そうじゃないんです。
永遠の愛を育てるためには、「二人の関係が対等であること」 が絶対必要なのです。
二人の関係が、一方的に男性が優位に立ち、
女性が男性に従順になるような関係は長続きしないんですよ。
二人の関係を、いつまでも長く幸福なものにしていくためには、
男性からつくされることも必要なんですよ。
◆まとめ
一方的に女性が尽くす関係は、恋愛ではうまくいかない。
男と女は、尽くし、尽くされる関係が良い。