心の枷がはずれるとどうなるか
出会った頃の愛情は取り戻せるときのお話のように、後になってから許されたり
今まで禁止されていたことができるようになったりすると、人は怒りが爆発することがあります。
実際、僕たちの日常にもよく起こっていることでもあります。
社会学的に言えば 「可能性を高めることによる危機」 と呼びます。
たとえば、 ずっと家から出て一人で暮らしたいと思っていたとしましょう。
何度も親に言って出ようとするのだけれど、全然取り合ってくれない…。
親が厳しくてとても家から出られそうもありません。
それがある日、家を出て一人暮らしが許されるようになりました。
その途端、いままで我慢していた怒りが爆発するんです。
「何でもっと早くさせてくれなかったの!」
「あの時一人暮らしできていれば良かったのに!」
こんな怒りが込み上げてくることも抑圧した感情が急に表に出てきているからです。
他にも実際にアメリカであったお話。
1960年代にアメリカの大統領にジョンソンという人がいました。
この大統領が黒人や少数民族に 「公民権」 を与えたのがきっかけでした。
当時はまだ黒人差別があった時代でしたので、黒人には人としての権利がなかったんです。
ところが、急に公民権が与えられたので白人たちと同じような権利が法律的に認められました。
普通だったら黒人たちにとってうれしいことですよね?
でも、その結果どうなってしまったのでしょうか。
何と、アメリカの国内中で黒人や少数民族たちの怒りが爆発してしまって
暴動などが相次いで起こってしまったんです。
長年に渡って少数民族を抑圧し続けたので、今までの積もり積もった怒りが
急に開放されて爆発してしまったんですね。
これが過去の記憶が甦る瞬間です。
同じようなことが地球のあちこちで起こっているはずです。
過去の歴史を振り返ってみても、政府の抑圧で長年に渡って自由を奪われてきた人たち…。
そんな彼らにも、ある日突然に自由を与えられた国々がたくさんあります。
そのたびに沸き起こる怒りの爆発
まさに世界中で爆発事故のオンパレード状態。
そんなとき、人は戦争や内紛といった出来事も同時に引き起こしているんです。
でも知っているだけで大丈夫なんです。
男と女の関係に限らず、人としての心理的な反応を理解していれば
トラブルは事前に回避できる可能性も高めることができるんですよ。
◆まとめ
人は心の枷がはずれてしまうと、大きな怒りの渦に飲み込まれてしまう。
その抑圧され続けた気持ちが溜まれば戦争にすらなってしまうこともある。